宇宙創成に関わる極金属欠乏星と種族IIIの星たち

宇宙創成に関わる極超金属欠乏星と種族III

こんにちは。いつも通りの楓です。

とても久しぶりに天文記事を書きます。

このブログ、天文好きをアピールしたくて始めたはずなのにほとんど何も書いていない……。

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 新しく古い星が発見されたらしい

日本語は正常です。上に論文へのリンクを張りました。

論文の正式認可は2018年1月4日です。

正月早々。いや、日本とは正月の感覚がまるで違いますけれども。

今回観測されたのはJ0815+4729という極超金属欠乏星です。

極超金属欠乏星というのは文字通り金属がほとんど含まれていない星です。

ただし、天文学における「金属」は

展性、塑性(延性)に富み、電気および熱をよく遠し金属光沢という特有の光沢を持つ物質

などという一般的な定義では無くて、水素とヘリウム以外のすべての元素をいいます。

星は後の時代(現代に近い時代)にできたものほど、金属が多くなっていく傾向があるので、極超金属欠乏性は宇宙創成を解き明かすための鍵を握ります。

スペインの研究チームはJ0815+4729を観測するためにロケ・デ・ロス・ムチャーチョス天文台のカナリア大望遠鏡とウィリアム・ハーシェル望遠鏡とを利用した観測を行い、この星を発見したようです。

ロケ・デ・ロス・ムチャーチョス天文台はカナリア諸島(スペイン領)のラ・パルマ島にあります。ハワイの次に観測条件が良いとされています。

この島、かなり活発な火山島なのでその点もハワイと似ていますね。日本だとあまり有名ではありませんが。

星の種族

話が脱線しました。

この研究の背景には、種族IIIと呼ばれる星が綿密にかかわってきます。

種族IIIというのは、(天文学的な意味での)金属が全く含まれない星のことです。

判りやすく言えば、水素とヘリウムだけで構成された星のことですね。

ビッグバン宇宙理論によると宇宙創成初期には水素とヘリウムしかなかったはずなので、原始の星は全て種族IIIのはずです。

他に種族Iと種族IIもあって、数字が小さいほど金属の量が多くなります。太陽は種族Iです。

現在、種族IIIは見つかっていません。その理由として有力なのは

  1. 種族III星は寿命が短いため全て消えた。
  2. 種族III星はこれまで観測が行われた範囲にはない。
  3. 種族III星は現在までの間に金属量がゼロではなくなった。

一つ目の可能性に関しては未だに結論は出ていません。従来は宇宙創成初期の星は寿命が極めて短かったとされていたのですが、近年は寿命の長い星も形成されたとする論文があり、どちらとも言えません。

二つ目の可能性については、宇宙全体の偏りがあるにしても地球から観測できない場所だけに偏るというのは無理があるため、やはり可能性は低いようです。

三つ目の可能性については、それなりに高いようです。星自体が進化して金属を作る。もしくは星間ガスが落ちてくる。元々生まれた時から金属を持たないと定義する以上、種族IIIにわずかでも金属が含まれると種族IIとして観測されます。

表面汚染を受けた種族III星の最有力候補が、極超金属欠乏星です。

J0815+4729について

このJ0815+4729は炭素が多く鉄が殆どないらしいです。

鉄は普通の星ならば見つかりやすい。何故なら、核融合で作られる元素としては安定しているから。(この辺りは核化学の分野ですね)

地球も大部分が鉄。太陽も結構な割合で含まれています。

そしてこの星、鉄が検出できなかったために典型ではないと結論付けられました。

代わりに検出されたのが炭素やカルシウムといった、原子番号が鉄よりも若い元素。

ただし、論文に置いて星間ガスのカルシウムを分解できないため星間ガスの文が含まれていると記されています。

どちらにせよ、炭素の量はとても多く既存の星の分類には含まれないということが解っています。なのでこのように名付けられています。

「the carbon-rich hyper metal-poor unevolved star」

日本語訳すると高炭素極超金属欠乏星とでも表しますか。

Identifying and characterizing chemically these rare breed of stars will certainly shed light on the early chemical evolution of
the Galaxy and the nature of the first stars.

「これら希少な星の化学的性質の特性をあきらかにすることで、銀河の初期の進化と最初の星の性質を知ることができるかもしれない」と、論文の中で研究者は語っています。

楓の感想

勝手な想像で根拠もない楓の考えですが、この星は最初の種族IIIが死んだ直後の宇宙二代目の星なんじゃないかと思うんですよ。

種族IIIは今の天文学の最先端の議論ですからね。理論上存在するかもしれないと云われるだけで、実在する確証は無いので。

これからの研究に期待です。

殆ど種族IIIの紹介をする文章になってしまった……。

論文の翻訳は勘違いや間違いがある可能性が高いので、もし見つけた方はコメント欄で指摘をください。英語苦手なのに興味のある分野だけは読める不思議。

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