物理学を学ぶための数学

物理学への道 ~二歩目~

前回の記事で上から引っ張り上げる勉強をしよう(要約)と云ったので今回から始めていこうと思います。なお、これは中高校生向けなので、「俺は理学部物理学科所属だ!」という人は対象外です。ご容赦ください。

引っ張り上げるとはいえ、足りないものを補っていく方式である以上、数学知識が必要となります。基本的に高校の数学(数学I+A, 数学II+B, 数学III)で習う内容で事足りますのでご安心を。

  • 三角比、三角関数(I, II)
  • 指数対数関数(II)
  • ベクトル(B)
  • 微分積分法(II, III)

以下、定義とよく使う公式を並べていくのみ。

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三角比、三角関数

三角比(数学I)

\(\sin \theta = \frac{y}{r}\), \(\cos \theta = \frac{x}{r}\), \(\tan \theta = \frac{y}{x}\)

直角三角形の斜辺と他の辺の比が三角関数です。物理では三角比自体を実際に計算するよりも、三角比を用いて別の辺の長さを計算することのほうが多いです。

今までの四則演算で単純に計算できないのと、二つの数字の関係ではなく一つの数字ごとに決まる計算なのとで思考停止してしまうとここで物理は終了します。

三角比は角度ごとに固有なので、角度と一辺の長さが判れば直角三角形の他の辺の長さがわかります。

よく使う公式

\(\sin^2 \theta +\cos^2 \theta = 1\)
\(\frac{\sin \theta}{\cos \theta} = \tan \theta\)
\(\tan^2 \theta +1 = \frac{1}{\cos^2 \theta}\)

全て三平方の定理(\(x^2 + y^2 = r^2\))で導出できます。sinとcosを変換して式をシンプルにできるようになります。

三角関数

三角比では、0°~90°までしか直角三角形が描けないため計算ができません。では、どうするかというと、座標を利用して求めます。これを三角関数といいます。

なお、三角関数では弧度法(半径1の扇型の弧の長さ、\(180^\circ = \pi\)、\(360^\circ = 2\pi\))を用います。単位は rad (ラジアン)です。

半径1の円の半径とx軸の開きを角度として定義します。

x座標が\(\cos \theta\)、y座標が\(\sin \theta\)となります。

角度の和を出すときは次の公式を用います。

\(\cos (\theta+\phi) = \cos \theta \cos \phi – \sin \theta \sin \phi\)
\(\sin (\theta+\phi) = \cos \theta \sin \phi + \sin \theta \cos \phi\)

指数対数関数

指数関数

指数法則を用いて拡張することで、二分の一乗や\(\pi\)乗を計算することができるようになります。

\(x^a\times x^b = x^{a+b}\)

\(\frac{x^a}{x^b} = x^{a-b}\)

\((x^a)^b = x^{a \times b}\)

\(x^{-a} = \frac{1}{x^a}\)

\(x^{\frac{a}{b}} = \sqrt[b]{x^a}\)

対数関数

\(p=\log_{a} M \Leftrightarrow a^p = M\)

\(\log_{a} M^k = k \log_{a} M\)

\(\log_{a} M + \log_{a} N = \log_{a} MN \)

\(\log_{a} M – \log_{a} N = \log_{a} \frac{M}{N}\)

\(\log_{a}b = \frac{\log_{c}b}{\log_{c}a}\)

指数の逆計算が対数です。物理では主に数値が大きくなりすぎるときにグラフに使用します。

微分積分法

微分法

微分は感覚的には接線の傾きだと解釈します。

\(f'(x)=\frac{\Delta y}{\Delta x}\)です。

微分は\(\frac{df(x)}{dx}, f'(x), \acute{f(x)}\)といった記号で表します。

接線の傾きは速度のグラフから加速度を求めるなどの用途に使います。

微分の主な公式

\(y = x^n\)のとき\(\frac{dy}{dx} = nx^n\)

\(y = \sin x\)(xは弧度法)のとき\(\frac{dy}{dx} = \cos x\)

\(y = \cos x\)(xは弧度法)のとき\(\frac{dy}{dx} = -\sin x\)

\(y = \tan x\)(xは弧度法)のとき\(\frac{dy}{dx} = \frac{1}{\cos^2 x}\)

\(y = a^x\)のとき\(\frac{dy}{dx} = a^x \cdot \log_e a\)

\(y = \log_{a} x\)のとき\(\frac{dy}{dx} = \frac{1}{x \cdot \log_e a}\)

\((f(x)g(x))’ = f'(x)g(x) + f(x)g'(x)\)

\((f(g(x)))’ = g'(x)f(g(x))\)または\(\frac{dy}{dx}\frac{dx}{du} = \frac{dy}{dx}\)

対数の微分についている底eはネイピア数で、\(e \approx 2.72\)です。詳しくは後程解説します。

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